月人くんも、仙水にいいように利用されちゃって、頭はよくてもしょせんは子供だな、って感じだわね。
自分がやっていることの重大さを理解せず(仙水がうまく理解させないようにしてたんだろうけど)、安易に力を貸して、そして、かなり手痛い罰を受けた。
月人くんはさ……きっと、泣きながら「死にたくない」と言った時の恐怖を、一生、忘れないだろうね。そこらへん、すっごくかわいそうだと思う。
そりゃあ、おもしろ半分で、あんなことをやったのは悪いことだけれど、そこまで月人くんに罪があったのかな。仙水は月人くんをコエンマさまが生き返らせてくれると信じてたらしいけど、月人くんの心の中に残る傷のことまで考えてたのかな。
多分、月人くんは自分が過小に評価されていると思ってて、それが不満でしょうがなかったんだろうね。それで、仙水がたまたま自分を認めてくれて、かまってくれて、おもしろいゲームを与えてくれたから、それに乗っちゃっただけなんだろうな。
蔵馬が「責任がないわけじゃない」という言い方をした気持ちがよくわかる。あの場合、「責任がある」と言い切るのはむずかしいよね。ホントに。
月人くんは多分、自分で自分を特別扱いすることで(まあ、あの頭のよさは十分に特別だと思うけれど)、自分自身の存在を主張し、ちゃんとかまってくれない大人たちに抵抗していたんだろうけど、改めて周囲を見渡してみたら、実は自分が成績がよくてゲームが上手なだけのただの子供なんだ、ってことに気づいたんだろうな(あの一件で、自分がどれだけお子様か、ということを思い知っただろうし)。
見下していた同級生たちの会話を聞きながら、「なーんだ、みんな同じなんだ」って心の中でつぶやいてた月人くんがすごく印象的だった。
自分だけが特に冷たい扱いされてるわけじゃなくって、危険思想を持ってるわけでもなくって、実は他の子供たちも大人たちに対して不満たらたらだってことがわかって、なんか、いきなし納得しちゃったんだろうね。
やっぱりまだ子供だからさ……立ち直りも気持ちの切り替えもはやいよ。いや、月人くん見てると、本当にイマドキの子供って感じするよね。
これから先、月人くんが、死の記憶にうなされることなく、いい友達に囲まれて、明るく元気よく成長していけるといいな。うん。
ところで、月人くん、あきらかに無免許のはずだが、堂々と公道で軽トラック走らせてたが……あれは一体、どういうことなんだろう?(巻原は運転できないのか?)
|