浦飯温子

-傍若無人なマドンナ-

 幽助を神さまとすると、温子さんは“聖母”。……すごいマドンナがいたもんだ(苦笑)。
 ある意味、幽助よりも過激よね、この母親。なんか、温子さん見てると、幽助の方がよっぽど常識人だと思うもの(幽助よりも常識ないって、かなりスゴイよ(笑))。
 すっごい大人っぽく見えることもあるし、えらく少女めいて見えることもある。それって、まだ少女の年齢で、母親になってしまったせいかもしれない。
 つかみどころがないし、結局、最後まで収人源不明だったし(本当に何やって金かせいでたのかなぁ)、家事なんかまったくやっていないようだし、とにかく傍若無人でそばにいたらやっかいだろうな、と思うけれど、少なくとも幽助に対する愛情は確かだったので、それだけで十分にいい母親。
 こういう母親に育てられたら、強くもなるよ、幽助(雷禅さまと食脱医師さんの血統は、絶対に温子さん経由だと思うな)。
 幽助が生き返った後、眠ってる幽助が眠りっぱなしになりそうで怖くて、幽助をたたき起こして、安堵のあまり泣いちゃってたところが、かわいくて好きなんだよね。普段、むっちゃ強気な人が、そういう露骨に弱いとこ見せるとね……幽助としてもバツが悪いことこのうえないだろうな、と思う。
 でも、絶対に泣かない女、という印象あったけど、考えてみれば、結構、泣いてるのよ、温子さんてば。感情の起伏が激しいだけなのかもしれないけど……。
 あと、「温子さんてばかわいいな」と思ったのは、幽助の父親と密会(?)している時に、いつもはいーかげんな格好しているのに、その時だけちゃんとおしゃれしてたところ。
 なんか、「ちょっと情けなさそうなこの男のこと、愛しちゃってるのねー」とか思って、しみじみしちゃったわ。
 それに、ケンカ別れをするのがイヤだってことは、決定的に別れたくはないってことだよね。きっと。ああ、なんかすっごいケナゲなとこあるじゃないか!
 考えてみれば、少なくとも14歳から16年以上も、温子さんはあの男とつきあってるわけで、むっちゃ短気な人だけど、実はすっごい一途なんだね(雷禅さまといい幽助といい温子さんといい、ひとりの人を一生おっかけ続ける血筋なんだろうか)。


 一般的に見れば、母親に適してない人かもしれないけど、それでも立派に幽助を育てあげたのよ、温子さんは。
 それだけでも、私は温子さんが大好き。
 強くて、かわいくて、たくましくて、わがままな温子さん。……なんか幽助よりも雷禅さまに似てるかもしれない(笑)。

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