修羅くんを見ていると、この子は本当に愛されて育った子供なんだな、と思う（ちょっとあまやかされすぎの感もあるけど）。
　親に対してね、「一生、口きかないからね」と、威嚇でもなくヤケでもなく、ごく自然になんでもないことのように言えるってのは、自分が親に見放されるかもしれない、って一度も思ったことがないからだと思う。少しでも、親にそういうそぶりを見せられたとか、少しでもそういう気配を察したってことがあったら、なかなか言えないもの、ああいう台詞は。
　本当にごく自然に、親の愛情をあまるほど浴びている子供っていう雰囲気が、修羅くんの言動のすべてに現れていて……本当に黄泉ってば、修羅くんを大事にしてるのね、こういう子は魔界ではすっごいめずらしいんじゃないかな、と思う（もしかしたら、親と暮らしてる子供も珍しいんじゃないかな）。
　トーナメント予選で黄泉にこてんぱんにやっつけられて、くやしさで顔をグシャグシャにしてる修羅くんもかわいかったな。終わった後でもまだ、グズグズ泣きながら、それでも黄泉にひっついててね……（怒って離れていかないのね。それでも父親のそばにいるのね。本当に父親ベッタリの子供なんだな）。黄泉もあまやかしているばかりじゃなくって、肝心なところはきっちりスパルタらしい。
　修羅くんが、将来、どういうふうに育つのかが、本当に楽しみ。
　幽助や飛影ちゃんのよきライバルになるといいね。